株式会社エアロクラフトジャパンのオーナーであった深津拓真様は、父から継いだ会社を順調に成長させる中、2023年6月に技術承継機構グループに株式を譲渡し、その後も代表取締役を続けています。深津様がどのような思いで技術承継機構への譲渡を考え、それによりどのような変化が生まれたのかを伺いました。

 

 会社を良くする手段としてM&Aを選んだ。足りない部分を補ってくれる技術承継機構に魅力を感じた。

 

Q.どのような経緯で譲渡を決断したのでしょうか。

 会社を譲渡しようと考え始めたきっかけは、会社が急成長する中で、主に管理面の体制を強化したかったことです。順調に売上と利益を拡大していますが、経理は親族が行い、しっかりとした人事評価制度もありませんでした。自社でゼロベースから改善していくこともできましたが、整備していくには時間がかかります。こうした背景から、家族経営の延長線上ではなくノウハウがある企業とM&Aを行えば、人事、社内体制をもっと強化でき、当社の中長期的な成長に繋がると考えました。友人がM&Aアドバイザーの社長さんと仲が良かったのでM&Aをして良くなった企業が多くあることを聞いてM&Aもいいかもと意識しました。

 

Q.M&Aに対する不安はなかったですか。

 私が信頼している友人からM&Aアドバイザーを紹介してもらい、そこから技術承継機構と出会ったので特に不安はありませんでした。譲渡までの過程も、実際に初めて出会ってからクロージングまで半年ほどでトラブルもなく、スムーズに完了しました。取引銀行は最初、会社も成長して利益も出ているのになぜという反応でしたが、しっかりと譲渡を決断した流れを説明したところ、すぐに納得していただきました。

Q.どのような理由から技術承継機構を選んだのでしょうか。

 技術承継機構は、企業の良いところをさらに伸ばし、足りない部分を補ってくれるなど、当社が求めていた理想的な譲渡先であるというのが一番の決め手でした。当社向けにカスタマイズされた具体的な提案に惹かれたというのも大きかったと思います。
また、技術承継機構のミッションの一つである「再譲渡は行いません」というコンセプトにも安心ができました。私自身は新居社長と同じ歳であり、技術承継機構のメンバーも年齢が近い方ばかりだったのも気心が知れて良かったと感じています。そして、優秀な同年代の方々と一緒に仕事ができるというのはなかなかない機会ですので、M&Aを通してそれが実現できるというのは非常に魅力的でした。


 

相談できる仲間が出来た感覚。自由に楽しくやらせてもらっている。

Q. M&A後、会社にどのような変化がありましたか。
 会社の買収によって組織が大きく変わるというのが元々のM&Aのイメージでしたが、実際は全然違いました。M&A後も私はそのまま代表取締役社長として継続しているので、私自身の業務には特に大きな変化はなく、自由にやらせてもらっています。また、これまでは重要な決断が必要な場面もすべて1人で判断していましたが、今後は相談に乗ってもらえる仲間がいるというのが非常に心強いと感じています。技術承継機構のメンバーは非常に前向きで、まあまあ無茶な相談も否定せず相談にのってくれるため、僕自身も楽しくやらせてもらってます。譲受後は初日から、当社のすべての工場の従業員一人ひとりと技術承継機構のメンバーが個別面談をしてくれて、改めて私も知らなかった従業員の意見を聞くことができました。その課題感から、弊社向けのオーダーメイドの人事評価制度の作成~運営まで伴走してもらい、離職率も下がったと感じています。M&A前には新規の採用が難しかったことや、離職者も一定数いたことで、人材不足の課題を抱えていましたが、採用活動も技術承継機構に支援をしてもらい、1年間で10名以上採用ができました。
譲渡から1年半ほど経ちましたが、会社の成長に合わせた組織体制が早速できてきたと実感しています。

 

Q.同じような悩みを抱え、M&Aを検討しているオーナーに伝えたいことはありますか。

 会社を経営していると1人で悩んで決断することも多かったですが、M&A後は一緒に考えて決断できる仲間がいて心強く感じています。実のところ、会社を始めたころは「M&Aなんてありえない、自分がずっと会社を大事にしてやりきるんだ」と思っていました。ただ色んな経営者の方と出会って話す中で、「大きなグループの中に入って、何かあった時にも安心できるような環境の方が、今後を考えると従業員も幸せなのでは」と思い始め、ずっと一緒に事業を続ける技術承継機構と一緒にやりたいと思いました。M&A前に相談したり、思いを聞いたりすることは私自身も非常に勉強になりましたし、考えもかなり広がりました。もし事業承継やM&Aについて悩まれている経営者の方は、一度相談してみると良いと思います。M&Aをするかどうかは相談してから判断すれば大丈夫で、技術承継機構はM&Aを決める前にグループ会社の見学や元オーナーと面談する機会をもらうことも可能です。勿論私もお会いしてリアルなお話しさせていただくことは出来ますので、まずは一歩踏み出してみることをお勧めします。